「せんべいにはその人の人生が表れる」
そう語るのは、「みつとし本舗」三代目の山口大地さん。
48年の歴史あるピーナッツ煎餅を焼けるのは、世界で山口さんただ1人だけです。
今回は、そんな山口さんにお話を伺ってきました。
「みつとし本舗」のピーナッツ煎餅を地元で知らない人はいないでしょう。
僕自身、幼少期からその味に親しんできた1人です。
地元で愛される「みつとし本舗」の48年間の歩みと、山口さんのせんべい作りにかける思いに迫ります。
創業48年「みつとし本舗」
「みつとし本舗」は長浜市の北端・西浅井町大浦の村の中にあるピーナッツ煎餅専門店です。
創業以来48年もの間、たった一種類のピーナッツ煎餅を焼き続けています。
僕たち地元民からすると、慣れ親しんだ懐かしの味です。
子どもの頃から食卓に並ぶと、喜んで食べていたのを思い出します。
「みつとし本舗」は、48年前に山口さんの祖父であるみきおさんが創業されました。
みきおさんは、ピーナッツせんべいの本場である千葉へ修行に行き、せんべい作りの技術を長浜に持ち帰ったそうです。
こだわりのピーナッツ煎餅の人気は滋賀県内に留まらず、県外からもお客さんが訪れるとのこと。
ピーナッツ煎餅「丸子船」は唯一無二の存在
「ピーナッツ煎餅だけれど、ピーナッツ煎餅じゃない」
「丸子船」は唯一無二の存在です。
「丸子船」はよくある大粒のピーナッツの入った厚焼きのピーナッツ煎餅とは違います。
細かくカットされたピーナッツが散りばめられた薄焼きのピーナッツ煎餅は、サクサクでジューシー。
「みつとし本舗」のピーナッツ煎餅には、先代の「どこから食べても同じようにピーナッツがあるように」、「子どもからお年寄りまで楽しめるように」という思いが込められています。
「みつとし本舗」のピーナッツ煎餅のおいしさの秘密はこだわりの蜂蜜にあります。
創業200年を誇る老舗「安土養蜂園」の蜂蜜とは、「みつとし本舗」の創業から48年間タッグを組んできました。
水飴の代わりに蜂蜜を用いることで、長時間高温で焼き上げることが可能になり、独特な食感を生み出すのです。
48年の歴史を背負う三代目の思い
現在「みつとし本舗」の煎餅を焼けるのは、世界で山口さんただ1人。
熱と焼成時間を微調整して焼かれる繊細な煎餅の味は、機械と二人三脚で焼き続けてきた山口さんにしか出せません。
「せんべいにはその人の人生が出る」と、山口さんは語ります。
「その人がどうすごしてきたか、その人が苦労したこと、経験してきたことによって味が変わってくる」
山口さんにとって代を受け継ぐことは、決して簡単なものではありませんでした。
先代が亡くなると共に、それまでせんべいを焼いていた機械も止まってしまいました。
「新しい機械が来たら焼けると思っていたが、まったくそうはいかなかった。一からやり直すんやな、せんべい焼きを」
何十年と続いてきた、伝統の煎餅を一からやり直す。
一体、どれほどの覚悟が必要だったのでしょうか。
山口さんの煎餅づくりへの熱い思いが伝わってきます。
火の温度や焼成時間の調整、生地を寝かす工夫、試行錯誤を繰り返し、少しずつ納得のいく味ができあがっていきます。
ただ一つ、伝統の生地だけは変えませんでした。
48年続く「丸子船」の生地は、先代が兄弟で研究を重ねて作り上げたもの。
生地が出来上がるまでの努力と過程を聞き、変えたくない、守っていこうと決意したのです。
「おじいさんがしてこなかったことを、今の僕がしている。それが代を受け継ぐということ。」
伝統を守り続けた山口さんの熱い思いと、これまでの「みつとし本舗」の苦労を知り、自分の胸が熱くなるのを感じました。
地元にこれほど素晴らしい宝物があるのだということを、これからも自慢にしていきたいなと思います。
48年間、ピーナッツ煎餅一筋の伝統を守り続けてきた「みつとし本舗」。
世界でここにしかない、たった一つのせんべい。
そのこだわりの味を、ぜひ一度味わってみてください。
みつとし本舗の営業時間やお店情報
店名 | みつとし本舗 |
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住所 | 滋賀県長浜市西浅井町大浦1601 |
電話 | 0749-89-0191 |
FAX | 0749-89-1313 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
定休日 | 第2・3日曜日の午前中 ※コロナの状況により要確認 |
駐車場 | 5台 |
アクセス | 県道557号線沿い 船と黄色の看板が目印です。 |
URL | みつとし本舗 |